「国産材利用」などで、補助金が入った集成材工場が九州その他で稼働しているためです。
そういった工場のまわりのスギやヒノキの森林(やま)が、再造林されずにハゲ山になっているそうです。
現在の日本の森林(やま)の林齢構造を考えると、そんなことをしていてはいけないことが一目でわかるはずなのに。でも、一度「工場」を作ってしまうと「(どんどん赤字が溜まる一方なので)とにかく工場設備を稼働させなくてはならない」という状況になってしまいます。これを悪循環といいます。
今、50年-60年生のスギやヒノキを伐ってしまったらあとがないのです!!
集成材ならば、細い材料でもいいはず。
工場で集成材にするのであれば、「間伐材」だけにすべきです。
間伐材ではコスト的にあわないことが容易に想像されます。
補助金とかを投入するのであれば、そういうところに投入すべき。
一見よさげな国産材の活用が、なぜ本質的なところと逆行してしまうのかわかりませんが、「なんとなく国産材を使うとエコロジーっぽい、持続可能風だ」などという間違った空気が建築業界だけでなく、日本国中にに漂っているように感じます。採算が全くあわなくて、森林(やま)を放棄したい林家にも受け入れられそうなことも...
林業に関しては、タイムスパンが長いので、四半期決算を求められる一般企業のサイクルとは相容れないように思います。かといって、個人の林家だけで支えていくのも難しい。超長期でみられるような仕組みづくりが急務です。
どうしても必要であれば、”ちゃんとした再造林”を義務づけないと、サステイナブル(持続可能性)とはますます反対の方向にいってしまう。
追記;
CO2の吸収という意味では、伐採→植林、伸び盛りの若い人工林が貢献します。
人工林と生物多様性については、60-80年生以上の森林(もり)が天然林に匹敵することを機会をみて書いてみたいと思います。