
2階の床の下地板です。一枚一枚、貼っていきます。
このままでもいいぐらいの美しさです(笑)。
こういうところに「手間」をかける意味、わかりますか?
現在の「普通」の木造住宅では、床下地はほぼ合板です。
この写真のような工法は、いまや「絶滅危惧種」といってもいいでしょう...
この下地材があるかないかで、床の「踏み心地」が格段によくなります。
踏んだ時の衝撃(音と振動)も吸収してくれます。
合板フローリングは「カチカチ」です。
さて、その他のメリットを並べます...
細かい下地材を無垢でとることにより、原木の歩留まりが良くなります。
そして、加工していないので、製材時の環境負荷が圧倒的に少なくて済みます。
合板のように接着剤を使用していないので健康的にも安心です。
さらに、湿度の吸放出もします。
廃棄時にも燃やせます...ペレットなどにも再利用できます。
香りもほのかに...
欠点は、「手間」がかかること。
最近の住宅は(住宅に限りませんが...)、この「手間」を省きます。
「人件費」が「コスト」としかみることができなくなってしまったから...
よく考えると、これって「木を見て、森を見ず」の典型ですね。
資本主義(=会社主義)の問題は、「人件費」を「コスト」としかみられなくなってしまうところにあるように思います。せっかく世界的にバブルがはじけたのだから、今度こそ、じっくりと次のシステムを考えてみるのもいいのかもしれません。
昔の宮大工は、仕事がないときは「畑」をやっていた。
そういう仕組みのほうが強いと感じています。中途半端な仕事に手を染めずに。
ラベル:内装
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